瀬戸内に浮かぶ採石跡が
独特の造形美を作る島

SHIMA INFORMATION

四国エリア/ 香川県

小与島 こよしま

面積
約0.24㎢
人口
約2人
観光スポット
石切り場、梶大明神、島北端の岩場、島南端の砂場
特産
魚介類
アクセス
高松駅からJR予讃線で約14分、坂出駅で下車(定期船がないため、坂出駅からのアクセスは現地確認)
URL
https://www.pref.kagawa.lg.jp/chiiki/seto-island/detail/koyoshima.html

小与島 koyoshima

船の定期便がなく豊かな自然が残る
採石跡の荒々しい景観も秘境のよう

小与島は香川県坂出市に属し、坂出港から北へ11kmほどの位置にある瀬戸大橋が渡る島・与島の東側に浮かぶ小さな有人離島です。瀬戸大橋が架かる周囲の島々とは異なり、船の定期航路はなく、陸路からのアクセスはできません。小与島へ渡りたい場合には、事前に遊覧船で小与島を含む島々を巡るコースのあるツアーに申し込むか、坂出港などからチャーター船を利用するなど、坂出市観光案内所にアクセス方法を問い合わせて、計画を立てて訪れる必要があります。島内の移動は徒歩となるので、足腰に自信がある方のみ上陸するようにしましょう。秘境といっても過言ではない小与島には、自然があふれており、草木や虫も多いため、自然を大切にしながらかぶれないよう注意することも必要です。島全体が花崗岩と閃緑岩でできている小与島は、もともと小高い山でしたが、採石によって山が削り取られ、現在は島のあちこちに採掘場跡に水が溜まってできた池があります。ほかにも島内では採石跡の荒々しい景観や蔦の生えた岩など、自然が作りだした芸術のような景色を見ることができます。また島のどこからでも瀬戸大橋を見渡すことができ、絶景が楽しめるのも小与島ならではの特徴です。現在、島に住んでいるのは1世帯のご夫婦2人のみ。宿泊施設や食事処、商店、コンビニなどは何もないため、飲料や食料など必要なものは各自で用意する必要があります。

花崗岩と閃緑岩でできた島
石材採掘が盛んだった歴史を感じる

与島の東隣に寄り添うようにして浮かぶ小与島は、与島塩浜港から東に約1.5kmの海上に位置しています。そんな小与島は周囲の島々と同様、石材で発展した島です。島の歴史をたどると、2万年前の石器が発見されるなど、古い時代から島には人の出入りがあったことが分かっていますが、島に人が定住したのは明治以降とされています。小与島は花崗岩と閃緑岩でできており、ほぼすべてが採石場といっていいような小島です。当然ながら主産業は採石業で、石材採掘が盛んになった大正期からは人口も増加。最盛期には島内で15~16業者が操業していたといいます。近年では瀬戸大橋開通に伴い、船舶を所有する住民が徐々に減っていき、石材の出荷も減少。現在操業しているのは1社のみとなっています。また小与島は瀬戸大橋が架からない島ではありますが、瀬戸大橋開通直後には周囲の島々と同様、一大観光ブームとなり、島内では南欧風のリゾートホテル「アクア小与島」が開業しました。しかしホテルは数年で閉鎖され、現在では廃墟となって残っています。島内のいたるところでかつて石材採掘が盛んだったころの面影を感じることができます。

石切り場跡と丁場湖の景観に圧倒
北・南端からは瀬戸内の絶景を堪能

小与島の見どころは、「小与島のグランドキャニオン」と呼ばれる石切り場です。石が切り出された後の断崖絶壁には、部分的に緑の草が生え、荒々しくもどこか芸術的で、見るものを圧倒する迫力があります。丁場の地面を掘り込んだことでできた巨大な窪地には水が溜まり、大きな池=丁場湖になっており、切り立った断崖絶壁とともに独特の景観が楽しめます。キラキラ輝く海と雄大な瀬戸大橋を望むことができ、絶景を堪能できます。夕方になると辺り一面が夕焼け色に染まり、息をのむほど美しい風景を見ることができ、おすすめのスポットです。島の南端にある砂浜も絶好のビュースポット。「梶大明神」のすぐ南側に広がる砂浜から見える海は大型船の航路になっており、大きな船舶が美しい海を悠々と行き交う様子を眺めることができます。海の向こうには坂出市の工業地帯や瀬戸大橋、与島の鍋島灯台なども見渡すことができ、見飽きることのない景観をのんびりと楽しめます。小与島は気軽に上陸できない分、運よく上陸できた際には、こうした独特の景観や絶景を見て特別感を味わってみてはいかがでしょうか。

県の天然記念物・ササユリが自生
4月には梶大明神で春祭りを開催

小与島には、香川県の天然記念物に指定されている「小与島ササユリ」が群生しているのも特徴であり、見どころの1つです。島の東部に自生しているこの花は、葉が笹と非常に似ていることから「ササユリ」と名付けられた、ユリの仲間。茎は70~80cmの多年性植物で、見ごろは5~6月です。花は淡い紅色で美しいですが、花が咲いていないと笹と区別がつきません。現在は数が激減しており、見つけにくい場所に自生しているため、どうしても見たい場合は島に住む中野さんに案内を頼んでみましょう。また小与島では4月の第2日曜日に、「小与島春祭り」が開催されます。開催場所は、島の南に位置する立派な石製の鳥居と社が据えられた「梶大明神」の横にある土俵。春祭りでは小与島の住人と離郷者が集まり、土俵で子どもの相撲の奉納を行います。この神事・お祭りは小与島出身者たちがチャーター船で島へ渡り、年に1度、一堂に会する場となっていましたが、その規模は年々縮小の傾向にあり、残念ながら近年では開催されない年もあるといいます。春祭りを見たい方は、開催の有無を事前に坂出市へ問い合わせるといいでしょう。なお梶大明神のすぐ後ろには、切り出してきた巨大な石製のテーブルとベンチが置かれており、夏の夕涼みにもぴったりな場所となっています。

情報提供 / 坂出市役所政策課

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また、各離島への渡航時にはコロナウイルス感染防止に充分配慮をお願いいたします。

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