石積みの防波堤が物語る
かぜまちの島

SHIMA INFORMATION

中国エリア/ 岡山県

大多府島 おおたぶじま

面積
約0.4㎢
人口
約102人
観光スポット
灯籠堂、元禄防波堤、六角大井戸、勘三郎洞窟跡
特産
牡蠣など
アクセス
岡山駅からJR赤穂線で約1時間、日生駅で下車。徒歩で日生港へ。日生港から定期便で約30分
URL

大多府島 otabujima

石積みが約110メートル続く元禄防波堤
国内で初めて登録有形文化財に指定

岡山県備前市にある日生諸島の1つで、日生港から南6kmの最南部に位置する有人離島です。江戸時代には岡山藩の藩所が置かれ、島の北側にある天然の良港は、参覲交代などの風待ち港としての歴史があります。港には石垣状の「元禄防波堤」があり、1998年に防波堤として国内で初めて登録有形文化財に指定されています。約110m続く石積みの防波堤は、約300年にわたって風雨に耐えた姿を残し、近くで見ても遠くで見ても歴史が伝わる景観。2006年には「未来に残したい漁業・漁村」として歴史文化財産百選に選ばれています。1986年に再建された木造の四角塔が特徴的な「灯籠堂」は、約150年にもわたって沖合を渡る船の目印となっています。島の頂上に設置され、高さは11mほどで近くで見ると圧巻です。島の南側は奇岩が多い地形で、「勘三郎洞窟跡」など大小の洞窟があり、日生諸島有数の景勝地として知られています。迫力満点の断崖の割れ目の先にある勘三郎洞窟は、勘三郎という男性が隠れて藩札の偽造を行っていたという噂があります。奥行きは80m、高さは20mもあり、近くに行くと奥まで続く暗い洞窟と高さに圧倒されます。現在は落石の危険があるため、立入禁止とされています。北側は穏やかな風待ち港、南側は景観がダイナミックな港というように南北で対照的な姿を楽しめます。

岡山藩政時代に水の供給であった名所
六角井戸や大多府加子番所の史跡

島の見どころの1つは「六角大井戸」。その名のとおり六角形の形をした大きな井戸で、江戸時代に津田永忠によって構築されたといわれています。当時は島唯一の水源とされており、飲料水を供給して島の生活を支える存在として大きな役割を果たしました。今もなおその形は廃ることなく残されています。また、岡山藩政時代に設けられた「大多府加子番所」は水夫(加子)の詰所となり、飲料水の供給などを行っていました。現在は島を訪れる来島者の休憩所としてで使われており、中には島の古い地図や絵図が飾られています。宿泊施設は、漁村型の「ふれあいの館かぜまち」があります。定期船乗り場の近くにあり、2部屋で10人まで宿泊可能。この施設を拠点にして海水浴や潮干狩り、磯釣りなど漁村型のアクティビティーリゾートを堪能することができます。

島を1周する自然研究路で島を堪能
自然や史跡を見ながらのハイキングは格別

夏は、海水浴場などのレジャー目的に訪れる観光客でにぎわいます。島の海水浴は北側にある宮ノ下海水浴場が有名で、鳥居のある春日神社の目の前にビーチが広がっています。船着き場から徒歩3分で行くことができ、ビーチ横には大小連なる「夫婦岩」が見えます。ビーチ付近では、海水浴だけでなく潮干狩りも可能なので、夏のシーズン以外でも楽しむことができます。北側にはもう1つ「亥の子浜海水浴場」があります。宮ノ下海水浴場より小さいですが、夏は多くの人たちでにぎわいます。海岸沿いは島を1周できる「自然研究路」が設置され、起伏に富んだ舗道はハイキングにぴったり。島の東側をスタート地点とし、海岸に沿って東から南、西へと道が続きます。八十八か所のお地蔵さんが並んでいる光景や植物、史跡めぐりなどもでき、島をゆったり散策したい人にもおすすめです。島の南側には「大多府海岸展望所」が数か所あり、中には目の前の海を望む石のベンチがあり、一面に海が広がる景色を眺めることができる展望スポットとなっています。

島を見守る題目棟や水神様の石碑に加え
夫婦岩や大井戸の岩石が点在する島の風景

島にある寺社仏閣は、「春日神社」と「慈雲寺」。春日神社は高良八幡宮、恵美須宮、荒神社、春日神社など日生地区内の神社棟礼が保存されています。最古のものは高良神社のもので市指定重要有形文化財に指定されています。慈雲寺には大きな仏塔と対面する観音様があり印象的です。六角井戸の近くには水神様が祀られており、毎年4月に祭事が行われています。海中安全と五穀豊穣を祈願した石の題目塔も建てられており、島には自然研究路に並ぶお地蔵さんや六角井戸の水神様、六角井戸、夫婦岩など、さまざまな形の石や岩の姿形を見ることができます。

情報提供 / 備前市役所

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