迫力ある採石現場を持つ
笠岡諸島最大の石の島

SHIMA INFORMATION

中国エリア/ 岡山県

北木島 きたぎしま

面積
約7.48㎢
人口
約666人(2021年6月1日時点)
観光スポット
石切り場跡、石切りの渓谷展望台、海水浴場
特産
天然灰干し・魚々干し、北木石
アクセス
①岡山駅から約45分、笠岡駅下車、徒歩で住吉港へ。住吉港から高速船で約35分、普通船で約50分
②笠岡駅から徒歩で伏越港へ。伏越港からフェリーで約50~70分
URL
https://www.kasaoka-kankou.jp/

北木島 kitagishima

良質な花崗岩「北木石」の産出地で
「石の島」として日本遺産にも認定

北木島は岡山県笠岡市にある笠岡港から約15km、瀬戸内海に浮かぶ笠岡諸島の中心に位置する有人島で、笠岡諸島の中では一番大きな島です。島では「北木石」と呼ばれる極めて良質な花崗岩が産出され、古くから「石の島」としても有名。北木石は大坂城や日本銀行本店本館、靖国神社の大鳥居などの造営にも利用されたほどの石です。2019年5月には「石の島」として日本遺産にも認定され、現在でも島の産業は採石と漁業が主となっています。お笑い芸人である「千鳥」の大悟さんの出身地としても知られている北木島は、周囲を瀬戸内海に囲まれ、島内には桂林やベニスを思わせる美しい景観や岩が切り立った迫力満点の採石場など見どころ満載。島内には旅館と民宿がそれぞれ1軒あり、予約は必須です。レンタカーやタクシー、路線バスといった交通手段はありませんが、レンタサイクルがあるので、島内の移動は自転車を利用するのがおすすめ。島内は比較的広いため、徒歩での移動は大変です。飲食施設は数軒あり、予約が必要なところもあるため事前に問い合わせをしておきましょう。フェリーは島の北側に位置する豊浦港と金風呂港、旅客船は島の東側に位置する大浦港と楠港に停まります。フェリーと旅客船が発着する港は別々で位置も離れており、間の交通機関もないため、乗り場と行き先を間違えないよう注意が必要です。

瀬戸内の三大銘石の産地として繁栄
現在では輸入石材の加工が盛ん

北木島は古くから花崗岩の産出と加工で栄えてきた島です。岡山県産の「北木石」は、香川県産の「庵治石」、愛媛県産の「大島石」と並んで瀬戸内の三大銘石の産地として称されてきました。内陸の道路網がまだ整備されていなかった時代には、船を利用した海運によって納期を厳守することと良質な大材が採れることで、全国各地にとどまらず海外にまでその名を馳せており、かつては一大産地として君臨していたともいわれています。その実績として、北木石は江戸初期に徳川幕府が大坂城を再築した際には、大量の石垣石を送り出しました。さらに明治以降には、石材の採掘が本格化。北木石は東京の日本銀行本店本館、三越本店、靖国神社大鳥居など、さまざまな建築物に使用されました。現在では安い輸入石材によって採石は減ってしまいましたが、石材加工の技術も残っているため、輸入石材の加工が盛んに行われています。なお現在の豊浦地区、金風呂地区には採石によって表面を削り取られた山々がそびえたち、北木島で石材産業が繁栄を極めていた時代の痕跡を見ることができます。豊浦港からすぐの場所にある「K’s LABO」内にあるストーンミュージアムでは、北木石の歴史や島の文化などを知ることが可能。カフェが併設されているほかレンタサイクルもあるため、観光の拠点として利用するのもおすすめです。

石切りの渓谷展望台から採石場見学
北木のベニスの美しい景観も必見

北木島には日本遺産の構成文化財が複数あります。「石切りの渓谷(たに)展望台」からは、現在も採石が続く採石場の見学が可能。高さ60mの展望台から見る、剝き出しになった荒々しい岩肌や規則正しく切り出された石が連なる景観は大迫力です。石の産地ならではの風景が楽しめる「北木のベニス」と呼ばれる船着場は、捨石を手積みで建築した入り江が特徴的。澄み渡った青い海水面と美しく積み上げられた捨石、海に浮かぶ白い船、周囲の緑や家屋が作り上げる景観は、まさに水の都ベニスを思わせる絶好のフォトスポットです。千ノ浜地区には、かつて採掘していた丁場に雨水が溜まり湖のような景観になった「丁場湖」があります。ここは「北木の桂林」と呼ばれており、切り立った山と石切り場跡、採石に使われていた大型機械の跡、湖、周囲の木々の緑などからなる迫力満点かつ神秘的な絶景を見ることができます。そのほかにも、手作業で採石していた時代から使われていた「石工用具」や、石切りの作業を行う際に歌われていた「石切唄」、娯楽を提供していた「光劇場」が北木島の構成文化財として認定されています。夏には海水浴場も開設され、マリンスポーツを楽しむことが可能。

300年ほどの歴史を持つ「流し雛」は
市指定重要無形民俗文化財に指定

北木島では、旧暦3月3日の満潮時、紙雛を乗せた小舟を海に流す「流し雛」が行われます。流し雛とは、麦藁で作られた小船(うつろ舟)に、紙で作った雛人形と桃の花や菱餅を乗せ、海へ流すことで無病息災でいられると伝えられる行事です。この流し雛は300年ほどの歴史があるとも言われ、市指定重要無形民俗文化財に指定されています。原型は平安時代にさかのぼるといわれており、かつては全国各地で行われていました。また、この行事は和歌山市加太にある「淡島神社」の信仰に基づく行事となっており、もともとは各家庭で雛を流していましたが、現在では観光行事化。大浦の浜から一斉に雛を流しており、多くの観光客でにぎわいます。なお「大浦の荒神社」の側には、淡島様の小さな祠がまつられています。このように伝統的な行事や歴史を感じられる観光スポットが多くある北木島ですが、島でのおすすめの過ごし方は、普段のせわしない生活から解放されてゆっくりとした時間を過ごすこと。ゆっくりとした時間の流れと島の方々とのふれあい、そしておいしい食事や海の景色と香りなど、都会では味わえない体験をぜひ楽しんでください。

情報提供 / 笠岡市観光協会

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